ノースヒルズは、大阪府東大阪市に本社を置く、ファイバーハンドレーザ溶接機の開発ベンチャー企業です。

主力サービスは、金属接合コンサルティング受託加工業者になります。

社内では、TIG溶接、レーザ溶接、ロウ付け加工の日本でも有数のトップ技術者の集団ですが、その他の摩擦攪拌接合、電子ビーム溶接、炉中ロウ付けなどの接合の幅広い技術ノウハウを保有している企業になります。

 

顧客には、大手企業、大学、ベンチャー企業になり、大手開発企業とNDAを結び顧問契約などを締結するなど、技術力に定評があります。

2012年から付き合いがあったレーザ溶接機開発ベンチャーであるUWJAPAN社と2021年に事業提携を結んだことをきっかけに新型レーザ溶接機の開発に乗り出します。

第4世代の新型ファイバーレーザ溶接機の開発、新技術であるムラサメビームを開発するなど。他社にはない斬新な技術を盛り込んだファイバーレーザ溶接機を開発しているメーカーになります。

OEM供給が多かった手前、知名度はさほどありませんが、大阪拠点と東京拠点の2拠点で技術サービスが受けられる点も大きな点と言えるでしょう。

NUシリーズの基本情報

 

 

 

製品ラインナップ

製品は500W、1000W、1500Wの3機種あります。

他社との大きな違いは、第4世代のハンディファイバーレーザ溶接機を日本市場に初めて輩出し、かつムラサメビームが出せるという点です。

これは、独自のファイバーレーザ発振器調達ルートを保有し、TIG溶接市場向けに限定した開発目標があったことで生まれた技術です。

またTIG溶接機業界向けに設計開発されているため、壊れにくい耐久性がある構造になっていることも大きな点と言えるでしょう。

営業体制

大阪拠点と東京拠点に分かれており、全国の溶接機を検討しようとしている企業に対し、アプローチをかけたうえで、デモカーにて全国展開しております。

活動エリアは主に、北海道から鹿児島までになります。特に活動拠点がある2拠点周辺は特に力を入れていると聞かれます。

サポート体制

アフターサポート専門のサービススタッフが各社に赴き、操作方法やトラブルについて対応させて頂いております。

顧客企業様にてほとんどの課題を解決できる優秀なサービススタッフが常駐していることでお客様に安心して頂けます。

NUシリーズの特長

① ムラサメビーム搭載(第4世代ファイバーレーザ溶接機の特徴)

このムラサメビームは、細く鋭いビームを厚めの素材でも素早く深く溶け込ますことができます。

特に、アルミや銅と言った反射率が高い素材に対して大きな差を出すことが可能です。ファイバーレーザ溶接機いままで見たけど、いまいちだったな。という人に特にお薦めな機能です。

② TIG溶接技術者ならではの機構

出力調整などは、アナログボリュームによる調整。出力パワーの読み出しメモリは、アナログボタンによる機能切替ボタン。

タッチパネルは圧力式にするなど、作業者がより簡易に素早く作業できるようワザとアナログ機能とデジタル機能をミックスした機構にしています。

このことにより、TIG溶接技術者の作業効率がより向上しています。

③耐久性が優れたトーチ

ファイバーレーザ溶接機は、そもそもクリーンな環境下で溶接することを想定して製造されています。

それに比べTIG溶接工の作業現場ではグラインダを多用するなど粉塵が舞う環境が数多くあります。外部環境に一番弱いとされるのが、レーザ溶接機のトーチです。

トーチには複数のガラスが埋め込まれており、そのガラスに光を屈折させることにより、強いパワーが生み出されワークが溶接できます。

ガラスは粉塵や汚れに非常に繊細であり、破損しやすい構造です。本トーチは、シール性(機密性)を高めたより高品質なトーチになるよう製造されています。

④ 溶接スピードアップ

高い出力を持つレーザー光を使用しているため、溶接スピードが非常に早いという特徴があります。

これにより、従来のレーザ溶接機に比べて作業時間を短縮することができます。差最大出力の1500Wだと、メーカー公表値として、TIG溶接機の3倍~5倍の速度とのことです。

⑤スイング機能

ファイバーレーザは、照射径がφ0.3mmに対し、それを進行方向から左右に振ることにより、TIG溶接のウィービングのような溶接が可能になります。

このことにより、周囲の母材が溶け出し、少々隙間があったとしても溶かし込んで溶接することが可能になっています。

スイング幅は、1~5mmになります。また、ウィービング速度は、250回/秒という驚異の速度でスイングしています。ウィービング速度、スイング幅ともに自由に可変可能です。

NUシリーズの注意点

①トーチの大きさ

TIG溶接工が作業するのは、直線ばかりではありません。パイプの内部など手作業が難しい箇所にもトーチをうまく入れて溶接することがTIG溶接工には求めらえてきました。

レーザ溶接機のトーチはTIG溶接のトーチと比較すると大きくなります。作業予定だったワークが溶接できないということにならないためにも、デモ実施時に実際のワークで作業することをお薦めします。

②サポート体制

万が一故障が発生した場合、迅速かつ適切な修理が必要です。購入前に、サポート体制が整っているかを確認しましょう。

メーカーが提供するサポートや保証内容をよく確認し、安心して使用できるようにしましょう。

③価格の確認

新機能が盛り込まれたハンド型ファイバーレーザ溶接機は価格にも当然ながら比例します。他社のファイバーレーザ溶接機との違いなどを理解したうえで、自社に適した価格帯のものを選びましょう。

まとめ

今まさに進化し続けているファイバーレーザ溶接機は、自社でどこまで開発しているかによってその進化速度は変わってきます。

ノースヒルズはUWJAPANと共同開発することにより、その速度を加速度的に向上させ市場に革新をもたらすことでしょう。

いままでOEM供給を続けていたため、第4世代のファイバーレーザ溶接機ならではのムラサメビームなど、作業者にとって使用して初めてわかるその差をどのように理解してもらえるかがメーカーとして試されているところでしょう。