エイムは1962年に創業した、日本の板金加工メーカーです。

当初は、アルミやステンレスの板金加工から開始し、半導体装置メーカーと取引が始まり、機械設計への道へと進みました。

自動溶接機のニーズが高く、2001年に自動溶接機を発表。その後、溶接ユニット製造に力を入れ始めます。

2016年よりファイバーレーザ溶接機の開発が完了し、販売が開始されました。

近年では、水素カプセルを製造し、水素カプセルサロンを出店するなど製造業の技術を生かしてサービス業としての展開にも力を入れています。

エイム製品の基本情報

製品ラインナップ

ぜんぶで六機種あります。まず標準機として、『AFL-600』『AFL-800』『AFL‐1000』『AFL-1500』の四機種。

ハイスペック機として『AFL-4000R』。コンパクト機として、『AFL-1500mini』があります。

注意すべき点は、標準機はシングルモードを使用しているものの、ハイスペック機はマルチモードになります。コンパクト機に関しては、記載がありません。

また、ファイバー長が二種類から選べることになっていますが、レーザの発振器とファイバー長には相関関係があるため、簡単に長さを変えられないのが業界内での通説になっているため、長さを変える場合は、長いファイバー長でのテストをすることをお薦めします。

エイムは、自社内の溶接課題を解決するためにファイバーレーザ溶接機を自社開発したことがきっかけで販売に至った会社です。

同様の会社は、国内ではノースヒルズくらいしかなく、購入後のサポートも専門知識の持った自社スタッフが対応することで不安がなくなることだと推察できます。

他社レーザメーカーとの大きな違いは、レーザ発振器の製造ノウハウが内製化されていませんので、根本的なレーザの課題に関しては若干のハンデがあると思われます。

営業体制

デモ希望の企業様へ東京青梅市からキャラバンカーにて訪問デモを実施しております。

公式ホームページより予約受付しております。

ロボットアームとの連動デモに関しては、エイム工場まで訪問しての確認作業になります。

サポート体制

購入後の治具製作やロボット併用改造など、メカ設計企業だからこそ気軽に相談できるところが好評です。

レーザの根幹の相談には若干弱さがありますが、アプリケーション部分で、ユーザーのニーズを掴んでいます。

別途サービスパック加入していると最優先で訪問対応をする体制です。

エイム製品の特長

①リングモードを搭載(AFL-4000R)し、2つの違うレーザを出すことが可能

照射中心部分をセンターと呼び、その周囲をリングと表現しています。

センターとリングを別レーザで照射することにより、より広範囲に強力な熱を加えることで、スパッタが発生しやすい素材に対して、その発生を抑える事が可能になります。

レーザの弱点である急速急冷への課題を解決するモードだと言えます。

②ガルバノトーチを採用し、ワイドビームにて溶接が可能

トーチ内部に光を高速で屈折させる駆動系を導入することにより、レーザを左右にスイングさせることが可能になっています。

他社のガン型と違う構造なので、溶け込み方も少し変化が見受けられます。

③溶接棒無しでの溶接で簡単に溶接可能

TIG溶接工の溶接難易度が高い1つが、溶接棒を投入していくタイミングの難しさが挙げられます。

ハンドレーザを使用することで、溶接棒なしでもTIGの共付のようななめらかな溶接ビードを出すことが可能になります。

エイム製品の注意点

①トーチ形状はペン型のみで固定が難しい

TIGのストレートトーチに似せてペン型の構造になっていますが、重量が重たいファイバーレーザ溶接機用のトーチは、ペン型だとビードを安定させるのにコツが必要になってきます。

そのため、ビードを安定させるためにそれなりの腕の筋力があることが要求され、男性作業者を想定した造りになっています。

②長時間使用でトーチが熱くて握れなくなる

レーザを長期間使用するとファイバーが熱を持ち、それがトーチにも影響でます。

本来、それらを冷やすためにチラー(冷却水)が存在するのですが、熱影響のほうが大きくなり冷やしきれない状況が発生しているものと推測されます。

③筐体が他社の約2倍でスペースが必要

冷却効率を向上させるために、発振器と別に他社より大きなチラーを併設させています。

それゆえ、発振器本体と同じ大きさのチラーを設置する必要があります。

まとめ

エイム製のハンドレーザ溶接機は、治具設計や自動機化を自社の設計チームにて顧客ニーズに合わせてシームレスに実施できる点に強みがあります。

主力機をどれにするかという考えではなく、顧客の課題に合わせて提案できるよう他社より多くの販売機種を保有していることと、完全なる受注生産体制を組むことで在庫リスクを抑えているのも特徴になります。

メカアプリケーション開発では、他のメーカーより一つ秀でている部分だと言えます。